ぶどう膜炎
ぶどう膜外来では、さまざまな原因で起こる眼内の炎症性疾患「ぶどう膜炎」に対して、専門的な診断と治療を行っています。
ぶどう膜炎は小児から高齢者まで、あらゆる年齢層に発症する可能性があり、その原因は感染症や自己免疫疾患などの全身疾患、薬剤性など多岐にわたります。
また、初めはぶどう膜炎と考えられていたものが、実際には悪性リンパ腫であったというような、「仮面症候群」と呼ばれる病態も存在します。このように、ぶどう膜炎の背景には全身疾患が関与していることが少なくないため、眼の検査に加えて、詳細な問診や血液検査、画像検査などを併用し、総合的に診断・治療を行っています。
さらに、感染症や悪性リンパ腫が疑われる場合には、前房水や硝子体液を用いた眼内液検査を実施し、原因の特定に努めています。
近年、がん治療に用いられる免疫チェックポイント阻害薬や抗VEGF薬、新型コロナウイルスワクチンなど、新たな薬剤により免疫反応が変化して発症するタイプのぶどう膜炎も報告されています。当外来では、このような最新の知見もふまえて診療にあたっています。
ぶどう膜炎は、長期的な経過観察と継続的な治療が必要となることの多い疾患です。患者さんが安心して治療を続けられるよう、当外来では専門性と丁寧さを大切にした診療を行っています。